父の骨を納めた。
墓地の山桜が野の息吹を放っていた。
老後の春も来ていたのに。
近づく雨雲に抗うように神父が語気を強くする。
故人を赦すこと。良い思い出を胸に抱くこと。
そしてひとりの人間として、
世間からどう思われてもゆずれない
何かを持ちつづけるということ。
(でも故人は赦してくれるだろうか)
生きるのは大変だ。つくづく大変だ。
帰りがけにちょっとだけのぞいた
行きつけの店では、おかみがある歌で
最近亡くなった夫を偲んで泣いていた。
故人はいないけど記憶では生き続ける。
神父様、親戚の皆様、今日はありがとうございました。