JRの某駅前で、定期的に靴を磨いてもらうお婆さんがいる。
人柄に味があって、行く度に傍にお客さんがいたりする。
前回は日本語が達者なアフリカ人女性。今回は写真学校の女子学生である。
カメラを抱え、撮ってもいいですか、とことわりを入れてくる。
顔なじみのお婆さんは彼女を指差し、宿題なんだってさ!と笑う。
やさしい人だ。お婆さんは81歳。麻布生まれの麻布育ちだが、戦争で家を接収され、
苦労してきたんだそう。あたしゃひとりだからさ、死ぬときはみんなのいるところで、
にぎやかなところで死にたいよお、と笑いながら雑踏を抱くようなしぐさをする。
おにいさんはよく歩く人?働き者だねえ。と言ってくれるが、
働き者は婆ちゃんの方だ。終戦記念日が近づいてくる。
婆ちゃんは戦後すぐからずっと靴みがき。なんだか“昭和”を切なく感じた。
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