今頃になって夏目漱石「坊ちゃん」を読んだ。
漱石が「おれ」と書くのが新鮮。教師の内幕を描いたものには海外にもクッツェーやマラマッドがあるが、「坊ちゃん」では“男は外に七人の敵”のとおり日本組織の陰湿なところがよく表現されて流石。藤沢周平や山口瞳の「江分利満氏の~」に引き継がれるれっきとしたサラリーマン小説である。松山のことはちっともよく書いていない。最終章に「不浄の地」とまである。でも団子や天麩羅、温泉は愛していたのだから、道後温泉近隣の漱石飾りがなお切ない。
●おや。「坊ちゃん」全文が載っている。
*夏目漱石「坊ちゃん」