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Back in the U.S.S.R

数年前、極寒のモスクワ出張の話があった。クラシック音楽の仕事で、行きたかったが、残念ながら見送りに。帰還した役員が伝えた物騒な話を講談社「本」2008年12月号・中村逸郎教授(筑波大学・ロシア現代政治)が“生々しく証言していた。(大筋は教授がモスクワ滞在中、警官と詐欺師の共謀で窃盗犯の嫌疑をかけられ、九死に一生を得たというもの)

“だからわたしは、かれらの手で消されていたかもしれない。じつは警察署で姿を消す外国人が続出しており、なかでも旧ソ連構成国の人びと三十人ほどが毎日モスクワ市内の署内で行方不明になっているようである。ロシア人の間では、警察官はロシア最大のギャングだと恐れられている”
“いまのロシア社会はときどき帝政ロシア時代と同様な欺瞞とたわ言、幻想で覆われ、人びとの心は虚ろになりがちである。どんなに経済が好転しようとも、欧米諸国のような社会秩序を確立することはないだろう。むしろ逆に、多くのロシア人はより伝統的な価値、より絶対的な規範を欲するようになっている”

ロシアは危険な状態に陥っている。そして日本も何気なく。(いみじくも先日、フィールドワークでお世話になっているきむらけん先生も指摘されていたが)日本人は良くも悪くも情緒に流されやすい。軍歌に酔い、何が正義なのか判断する力をなくしてしまう。「欲しがりません、勝つまでは」をつくった花森安治氏は愛国を促した自分を死ぬまで恥じたが、今日本がどうなりつつあるのかを正確にレポートする力がこの国のマスコミにあるのかは疑問である。

首相は師走に紛れ、戦争協力の法案を成立させようとしている。今、自分も含めて大多数の国民は経済不安やら裁判員制度(これも某弁護士会による反対声明は黙殺されたまま)で頭がいっぱいで「平和」が壊れることなど考えもつかない。

tb

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