川本三郎氏。「東京」を冠する著作だけでも10冊以上。言うまでもなく、元「週刊朝日」辣腕記者にして、権力による弾圧に抗して辞し、ペン1本で立つ真のジャーナリスト・翻訳家・著述家・思想家である。その生「川本三郎」氏の「それぞれの東京」刊行記念講演会は1秒もムダなコトバなし。淀みなく流れる知の川。氏はアラーキーに通底する「ノスタルジー」の視点を是とし、1980年以降の「表層的」な路上観察ブームを一蹴、都市の裏に隠されたひとびとの「物語」を追う。作家の生い立ち、生活した土地の成り立ちと人生観への相関関係のほか、都市論、映画論、歴史観を自在に織り交ぜ、見事に時を忘れさせた。ちなみに氏のサインは愛らしい丁寧な文字。
氏の講義の中でも何回か紹介された荷風先生。-“bokutoukitan”人生は迷い道。彷徨い道。(永井荷風先生が辿る心の旅路-新藤兼人監督「墨東綺譚」から)
過去のエントリ:Jacque Rivette の映画では巴里の都市論が展開される。