Toshitaka Hidaka Ph,D.
故・日高敏隆先生の御親族から、最近出版されたばかりの絵本を頂く。「カエルの目だま」(福音館)。東大理学部在学中の20代、小学低学年向けに書かれた原稿が、御親族、さまざまな方のつながりで紡がれ、絵本になった。タイトルのとおり、カエルからのまなざしは、先生のまなざし。「この世界は、動物からはどのように見えているのか?」は、ご自身の幼少時の視座に回帰したもの。そして、後に訳出された『生物から見た世界』ヤーコプ・フォン・ユクスキュル、ゲオルク・クリサート/野田保之共訳/思索社/1973 のち岩波文庫(羽田節子共訳)に連なる。こどものそばで、やさしく読み聞かせし、いのちへの共感と愛情を育くむこの絵本の誕生を、さぞ天国で喜んでおられるだろう。先生のやさしいまなざしが、いつまでも、ここにある。自然が傷つけられた厳しい環境の中、不安でいっぱいのすべての方にお勧めしたい。
“幼い頃、兄の指導で私ども兄妹三人が近所の友達を自宅に招いて「子ども会」を開き、子供新聞の発行、作文の練習、障子に映す影絵や紙芝居作り、なぞなぞ遊び、相撲とりなど、皆で楽しく遊びながら互いに勇気をもらった思い出があります。「一人ひとりの良いところを見つけて大切に育てる」という本書の考え方に、少年少女の皆さんが共感してくださったら、兄もきっと本望だと思います”
*御親族様:この場を借りて御礼申し上げます。誠にありがとうございました。